ずっと考え中ブログ〜懐疑的な記録〜

常に多方面に長考中のアラサーサラリーマンの記録

怒り

見る日は時間と気持ちのコンディションを整えてからをお勧めします。
見た後で、ボディブロー打たれたような腹にドスンとくる重い痛みを感じました。

宣伝では、妻夫木聡綾野剛のゲイカップルの部分が強調されているようですが、そこを目的で見たいというのは完全に不純な動機です。

いろんな怒りの感情が随所に見られる作品。
自分が引き金となった境遇、人に背負わされた運命、他人に振り回される人生 その感情をどこにぶつけたら良いのか、ぶつけて何になるのか。そんなことを考えながら映画を鑑賞しました。

1つの殺人事件を巡って3つの日常が交錯するストーリーは、どの日常にも小さな幸せがあった。そのどれかが、周囲を大きく裏切る「怒り」の元凶でもあるのだが、人はそれに気がつかない限りいつまでも幸せであるのだ。この点はものすごく儚さを感じるとともに恐ろしさを覚える。

怒りという感情そのものにも文化みたいなものがあるのだろうか?個人的に日本は気候と同じように湿度の高い粘着質な感情表現を持つ人が多いように感じる。怒りという感情にも同じようなことが言えて、この映画の登場人物が時折見せる怒りにも、耐え忍び、自分を責め、怒りへの罪悪感を持っているように見えた。

ユウマはナオトを信じきれなかった自分に怒った。マキさんは娘が幸せをつかめないと思っていた自分に怒った。タツヤはイズミを助けてあげられなかった自分に怒った。
自分を責めるという怒り

もっと怒りという感情を受け入れて、付き合っていかなければ行かないとダメだな。
アングリーマネジメントなるものもあるみたいだけど、コントロールしようとするんじゃなくて(上手に)吐き出すことができるって技術だなぁ。と思った。

追記
怒りは大きくて本気のものほど他者に伝わりにくく、怒りほど強いエネルギーから私たちは目を逸らそうとする。同性愛・一人親・基地問題・性差別。
どれも日常のこと。だけど、知らないこと。本気で知ろうとしてないこと。

 

怒り

怒り

  • 発売日: 2017/04/05
  • メディア: Prime Video